ボジョレーに白はある?
ボジョレー地区で生産される一般的なワインには、赤、白、ロゼの3種類がありますね。 そのなかで「ガメイ」というぶどうを使った赤とロゼの新酒のみが「ボジョレー・ヌーボー」と名乗ることができます。それはフランスのワイン法(AOC)で定められているから。
日本ではお酒に課税したいという視点からワインを含む酒類の法律が定められていますが、フランスではワイン農家や農業の保護、ブランドを確立・維持するという確かな戦略を持って法律をつくっています。ここにもお国柄の違いを感じます。
もともとボジョレー地区のワインは軽くてフルーティなものが多く、ボジョレー・ヌーボーもまたご存じのように、軽くて(アルコール度数が低め)、フルーティ(甘め)なワインです。その味わいは、「いちごミルクキャンディ」のよう、とよく例えられたりします。
長期熟成には不向きで、フレッシュさを味わうワインですから、できるだけ早めに開けて飲みきってしまいましょう。
さて、ボジョレー・ヌーボーに白はあるかという本題に戻ります。
答えは「いいえ」です。ただ隣接したエリアに「マコネ」と呼ばれる地区があり、そこでは白の新種を作っています。その名は「マコン・ヴィラージュ・ヌーボー」。たまに「ヌーボーの白」と名うって日本で売られていたりします。
「ヴィラージュ」は村という意味で、マコネ地区の中で指定された村で収穫されたフレッシュなワインになります。この白ヌーボーも解禁日はボジョレー・ヌーボーと同じ日です。
脱線しますが、私が好きなマコンの旨いワインといえば、ムルソーの巨匠コント・ラフォンが情熱を注いで作った「マコン・ヴィラージュ」。ヌーボーではないのでいつでも美味しく飲めますよ。柑橘系のフレッシュなアロマと、溢れんばかりの瑞々しい果実味が魅力的。。。
定価は5,000円ほど、とお高めですがお勧めです。
もう一つ、ボジョレー地区のヌーボーで大好きなのが、「ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール (メゾン・ルロワ)」。(この場合プリムールはヌーボーと同じ意味)
マダム・ルロワはフランスで最高峰のワインの作り手として世界にその名を轟かせているご婦人。世界一のワインと言われる「ロマネ・コンティ」の共同経営者を父に持ち、その後、自身も共同代表を務めていた方。1932年生まれの91歳で今もご健在です。
香りがとても華やかで、果実味も豊か、味わいも深め。ヌーボーのイメージを覆すワインです。値段は7,000円くらいとこれもチョイとお高め。
ワイン通の人にとっては、ボジョレーなんて!!!と言われそうですが、好みは人それぞれ。。。ワインが初めての方には(私が昔そうだったように)まずボジョレーから飲み始めるのも一興です。
(つづく)
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