【目次】
1 半年先まで予約で満席~看板のないレストラン
2 シェフのこだわり
3 料理の数々
4 まとめ
半年先まで予約で満席~看板のないレストラン~
先日、友人から東京、恵比寿の閑静な住宅街に旨い和食を出す店がある、と教えてもらい、雨のつづく4月のまだ肌寒い夜に出かけました。
店は駅から徒歩12分くらいの、なだらかな坂を上った低層の高級マンションの中にその店がありました。
インターホンで、あらかじめ教えてもらっていた番号を押して中へ入ります。マンションの一室のドアを開けると、まずは笑顔のまぶしい女性がエプロン姿で出迎えてくれます。
玄関に入ってすぐ本日のお代を支払います。
びっくりするほど高いわけでなく、ミシュランの星付きなどに比べればずっと良心的。
元はリビングだったんだろうなぁ、と思われる部屋に通されると、梅にホトトギスの衝立をバックに、木製の重厚なテーブルを囲んで10名くらいの宴席が用意されていました。
ネットでいっさい宣伝しておらず、口コミで徐々に人気を集め、完全予約制の和食屋さんとして今に至ったとのこと。
毎月約240名の方を客として招いていますが、たまに日本各地の上客に呼ばれて出張料理もしているそうです。
最近では、ニセコに観光で来た外国人富裕層のグループに呼ばれて、腕をふるい、今まで食べた和食の中で一番だ、と太鼓判を押されたと口をすべらせていました。
シェフのこだわり
その時期の旬の食材とテーマで料理を提供し、野菜はすべて無農薬のものを使い、無添加、無化学調味料、無化学肥料、無農薬。
グルテンフリー、抗生剤ホルモン剤ワクチンを使っていない動物性たんぱく質にこだわり、美味しさを演出。
料理を科学としてとらえ、7つの味覚を徹底的に分析して、美味しさの「余韻」、後味を最大限に伸ばすことをモットーにされているとのこと。
今回は、通常の店ならコース料理で6万円ほどはする鮨ネタを仕入れ、鮨中心の満足度の高いメニューをいただきました。
前もって、ひとつひとつの料理に10秒間の説明が入ります、との触れ込みでしたが、オーナーシェフはとても饒舌で、実際は2~3分のナガ~い料理の説明が続きます。
日本酒ペアリングを楽しみすぎて、メモを取るのを忘れたので、くわしい料理の解説は省きますが(笑)、とにかく百聞は一見にしかず。次の写真たちを見て想像をふくらませてみてください。
料理の数々
まずは前菜から。
早いうちから、濃厚な豚肉と九条ねぎのスープが出てきて
チョットびっくり!
これから鮨を握ってくれます
キレイな鮨ネタ
ご飯は ドでかい窯で炊いてくれます!
ぶ厚いさわら(鰆)
肉厚のあじ(鯵)
口の中でとろけるアオリイカ
コハダがまぶしい
これはなんと!ニシン(鰊)
まぐろ(鮪)を手巻きで
北海道のとうもろこしを食べて育った豚肉を揚げて
7つの素材ごとの違う味を、時間差で堪能できるデザート
味わいの構成を説明していただく
まとめ
シェフは大阪出身の30代前半で、有名な調理師専門学校を出たあと、複数の高級料亭で基礎を学んだ方。
若きシェフは、料理をつくる際に、甘味、酸味、塩味、辛味、脂味、苦味、うま味の7つの味覚を互いに影響させ合い、時間差で様々な味わいを感じさせることで、複雑で、余韻が長くつづく極上の味をめざしていると語ります。
今は、上場企業のオーナーをはじめ、政財界の著名人を中心としたクローズドな食事会のプライベートシェフとして活躍されています。
昔から「医食同源」という言葉がありますが、自らを異色ならぬ「医食のシェフ」と呼んでいる彼は、まさにそれを体現されているのではないかと強く感じました。